授業日誌更新しました
長期コース、人形芝居概要の授業がありました
長期コース、人形芝居概要の授業がありました
8月13日と20日に、長期コースでは今年初めての外部講師による特別講座がありました。
『人形芝居概要』講師は糸あやつり人形遣いの田中純先生です。
講義の内容は、
現存する日本最古の人形芝居、八幡古表神社の相撲人形の話から、
江戸時代、元禄の頃に近松門左衛門が庶民の文化と共に発展させた人形浄瑠璃、
結城座が明治時代にはじめた新しい人形芝居まで多岐に渡りました。
話を聞く塾生の皆さんの表情もとても熱心です。
20日の講義には三番叟の人形を持って来て下さいました。
人形の重心については基礎稽古でも常に考え続けている事ですが、
今回の授業で新たに、なぜわざわざ糸を使って人形を使うのか、
なぜ糸で吊られた人形に重心が必要なのか、という問題に対する答えや更なる興味や疑問が出てきた方もいるかもしれません。
田中純先生ありがとうございました。
それではまた次回、人形の授業でお会いしましょう !
短期コース3日目の様子をご紹介
短期コース3日目、人形の授業は2日目の様子です。
長期コース同様短期コースでも手板(操作盤)の持ち方を解説しています。
左手で人形を支えますので、最初は指が慣れないと思いますが、
持ちやすい位置を見つけましょう。
この日は人形についている色々な糸も遣ってみていただきました。
手や肘、腰など付いている位置は変わりませんので是非最終日までに覚えてみてください。
午後は日本舞踊の授業でした。
男踊りの「五万石」。
皆さん男らしくきまっています!
こちらは舟を漕ぐ振りです。
先生の動きをよく見ながら真似します。
小金井の稽古場では長期コースの授業が続いています!
さて、池袋で短期コースの授業が行われている暑い暑いこの日、
長期コースの会場、小金井の稽古場でも13時から17時まで、
4時間通しの授業がありました。
はじめはいつも通り、
人形の重心と体重移動と頭の向きを意識した基礎稽古でスタートですが、
一通り基礎稽古が終わったところで、ふたつのチームに別れました。
チーム分けはいつも通りのあみだくじ。
それぞれのチームで小さなお話や情景を作り、
まずは台詞なしで相手チームに見せ、
相手チームからどんなお話や情景だったのか感想を貰います。
作りたい状況を自分たちの身体を使って確かめたり、
人形を使って確かめたり・・・
考える時間は20分ほどで発表です。
1作品目。
最初は、お祭りでお酒を飲む事を楽しみに歩いて来た2人組の間を、
機嫌の悪い男が無理矢理通ろうとしたせいで、2人は転倒。
ひっくり返っている2人に謝らないどころか、
悪態をついて去ろうとする男を、通りすがりの人間が呼び止めているシーン。
この後、この悪態をつく男と、通りすがりの人の関係は実は・・・
というストーリーに展開していきます。
2作品目。
こちらは仲良し三人組が「だるまさんがころんだ」を元気よく楽しんでいます。
シンプルな構成ながら、だるまさんが転んだゲーム特有の、
動と静の動きがはっきりとわかれるところ、
また三人組の性格の違いによって、異なる反応も見所です。
どちらのチームの物語も、
作ったきっかけはちょっとした思いつきだと言いますが、
そこからどんどん深めて行きます。
お酒を飲む嬉しさから、なんの関係もない男にぶつかられた時の、
楽しさから真っ逆さまに落とされる気分。
謝る気のない男が結果的に謝ることになる気持ちの変化。
人形の動きを自分の身体で隠していないか、
もっと劇的にみせるには、どうしたら良いか。
「捕まえる」という動きを明確に見せるにはどうしたら良いか。
わからなくなったら自分の身体で試してみて、
それから人形でどうすれば良いかを改めて考えます。
何度も何度も、繰り返して、自分でやって、人を見て、
最後には相手チームと設定をひっくり返してやってみるうちに、
だんだん、相手を見る人形の頭の向きがいかに重要か、
なぜ人形に重心が必要なのか、
正確な頭の向きと、丁寧な人形の強さというものに、
向かって行こうという思いが生まれて来るようでした。