テレビと結城座
NHKの実験放送時代に始まった「テレビ天助」はNHK人形劇の最初のものです。
テレビを担いだテレビ天助が、悪をやっつけます。まだ録画放送が出来なかったため、先に作っておいたセットを人形、人形遣い、カメラ等が場面展開ごとに移動しながら生放送したそうです。
NHKの実験放送時代に始まった「テレビ天助」はNHK人形劇の最初のものです。
テレビを担いだテレビ天助が、悪をやっつけます。まだ録画放送が出来なかったため、先に作っておいたセットを人形、人形遣い、カメラ等が場面展開ごとに移動しながら生放送したそうです。
人形劇には、世界共通の伝統的な二つの方式があります。人形を直接手にして使う、文楽(人形浄瑠璃)でおなじみの「プペット(パペット)」と、糸であやつる「マリオネット」です。 結城座は糸あやつりの方式を継承する人形芝居一座です。
NHKで放送された「ひょっこりひょうたん島」やアメリカのSFドラマ「サンダーバード」もマリオネットを使った作品です。
初代結城孫三郎が座をおこした当時は結城座は説経浄瑠璃の座でしたが、義太夫浄瑠璃の隆盛とともにいち早く転向していきました。
当時は上方・江戸ともに新作浄瑠璃の盛んな時代でした。その後今日にも名作として伝わるに伽羅先代萩の飯炊の場(天明五年)や福内鬼外(平賀源内)の荒御霊新田神徳(安永八年)(神霊矢口渡の書き直し)作品などが結城座に書き下ろされていきました。
天保12年、火事による芝居の全焼を期に風俗取締りが厳しくなり、水野越前守の天保の改革によって芝居の市中興行が禁じられます。結城座も天保14年中村座、市村座、河原崎座、薩摩座、とともに浅草猿若町に移転することを命ぜられ、400両の引越し金と人形遣いそれぞれに手付金が下賜され葺屋町より移転しました。
2002年に日仏共同制作作品として結城座・世田谷パブリックシアター・フランスの三者合同でスタートしたジャン・ジュネ作、フレデリック・フィスバック演出「屏風」は2007年アヴィニヨン演劇祭に正式招聘され栄えあるオープニングを飾ることとなりました。
また2008年にはアメリカのピン・チョンとともに日米合作作品「悪魔とダニエルウェブスター」を作ります。
昭和54年に当時の座員らが吉祥寺に開店した、有限会社結城座の運営する喫茶店です。
階段を降りて、重たい鉄の扉を開けると、そこは時の流れから切り離されたような空間が広がっています。
本格的なコーヒーとおいしいカレーが人気メニュー。
吉祥寺にお越しの際はぜひ足をお運び下さいませ。
*平成20年、芸能部門を主とした団体として公益財団法人江戸糸あやつり人形結城座が設立されました。
以降、芸能部門は公益財団法人江戸糸あやつり人形結城座が、喫茶部門であるくぐつ草は現在も引き続き有限会社結城座が、それぞれ別々の法人格で運営を続けています。