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-特設ページ-

20年7月6日

アーティスト募集(2020年7月)

人形と俳優のクロスオーバーⅠ
生徒募集

開講にあたって

本事業は、江戸糸あやつり人形に限らず、俳優やダンサーなど、広く表現の世界でプロとして活躍したいという方を対象とした野心的なプロジェクトです。文化庁 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業の委託でスタート致します。
結城孫三郎の志に賛同し、演出家/加藤直、能役者/清水寛二、ダンサー・振付家/山田うんといった各界一流の表現者らが講師として参加してくださいます。また、先生方は最終回に予定されている試演会の演出も担当されます。
受講生の皆様は約三ヶ月間各分野の基礎訓練を積んでいただきます。その後指導者別の三グループ(人形/孫三郎&加藤、能/清水、ダンス/山田)に分かれて、各講師のもとで試演会に向けた稽古に入ります(基礎訓練の授業内容の詳細は応募要項をご覧ください)。
試演会ではひとつの作品を各講師三通りの演出によって発表することになります。俳優が人形遣いの指導を受けたり、ダンサーが能役者の指導を受けるなど相互の交流によって、そこに交差点(クロスオーバー)が生まれます。その学びの場で生起する発見や模索も、本講座の大きな特徴です。
このプロジェクトは結城座にとって、伝統を次世代へ継ぐ江戸糸あやつり人形の新しい表現法を発見する場であるとともに、舞台芸術における新たな表現者の誕生・育成の支援の場でもあります。
各界日本トップクラスの講師陣と創作が出来る、他には類を見ない貴重な機会です。
皆様方のご参加を心から歓迎いたします。

講師プロフィール

江戸糸あやつり人形結城座十代目結城孫三郎の次男として生まれ、4歳で初舞台。11歳から武智鉄二主宰、武智歌舞伎座に入門。能は観世栄夫、狂言は茂山千之丞の教えを受けながら、人形遣いの修行を重ね、72年写し絵家元三代目両川船遊を襲名。93年十二代目結城孫三郎を襲名。伝統的な人形芝居とともに、国内外の演劇人たちとの芝居作りにも意欲的に取組み、海外の演劇フェスティバルにも多数参加。また後継者の育成にも力を注ぎ、江戸糸あやつり人形の普及・啓発に努める。

能役者。1953年奈良県生まれ。早稲田大学在学中に山本順之の指導を受け、銕仙会に入門。故観世寿夫、故八世観世銕之丞、九世観世銕之丞に師事し、銕仙会公演などで古典能の上演を続ける一方、新作能 『長崎の聖母』『沖縄残月記』『ヤコブの井戸』などの演出・シテをつとめる。組踊、昆劇などの他の伝統芸能や現代劇、現代音楽、ダンスなどとの共同舞台にも取り組んでいる。

©️ HAL KUZUYA

山田うん

器械体操、バレエ、舞踏を学び渡仏。2002年「Co.山田うん」設立。日本をリードするコンテンポラリーダンスのカンパニーを率いて国内外で活躍している他、ミュージカルやオペラの振付、演劇の演出、またソロダンサー、指導者としても世界各地から注目さえている。第8回日本ダンスフォーラム大賞受賞。第65回芸術選奨文部科学大臣新人賞。平成26年度文化庁文化交流使。令和2年第37回江口隆哉賞受賞。

加藤直

ロングランのエンターテイメント作品を手掛ける一方、東京室内歌劇場、二期会、日生劇場、オペラシアターこんにゃく座等で多くのオペラも演出。

劇作家・演出家。横浜生まれ。
1966年劇団俳優座付属養成所卒業。70年黒テントの創立に参加。80年代中頃からオペラ、演劇、ミュージカル、コンサート、合唱等の作・演出を開始。

表現の在り方を鋭く検証し、知的かつスラプスティックに仕立てていく作品づくりに定評がある。まつもと演劇工場・工場長。

応募方法

こちらから応募要項提出書類(出願書、志望動機+未成年の方は保護者の同意書)をダウンロードし、記載情報を確認・記入してEメールまたは郵送にてお送りください。

  • 応募要項(授業内容も紹介しています)
  • 授業スケジュール
  • 保護者の同意書
  • 提出書類(出願書・志望動機)

応募受付期限

2020年831(月)

応募条件

18歳以上で、プロを目指し江戸糸あやつり人形や演劇に興味を持ち、将来舞台芸術の世界を志す者。

  • 既にプロとして実績を積んでいる方の応募も歓迎します。

選考方法

書類選考により、メールにて順次通知します。メール以外をご希望の方は出願書類にお書き添えください。

受講料

  • 一般:100,000
  • U30(30歳以下)70,000
  • 上記以外の費用(入会金、教材費等)はかかりません。
  • 受講料は開講日までに一括で納付していただきます。
  • 途中退会した場合でも受講料の返金には応じかねます。

説明会

  • 822(土)
  • 823(日)

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、説明会は中止といたします。

つきましては過去結城座で実施していた「人形遣い入門塾」の写真や動画を中心に授業内容 をご紹介するページを作成いたしましたので是非ご覧下さい。

授業内容紹介ページ

開講期間

2020年912(土)2021年221(日)

※感染症対策として、オンラインでの開講も検討・計画中です。

最終回には稽古場にて試演会を予定しています。

9月から11月を各分野の基礎訓練期間とし、12月以降、試演会に向けた稽古に入ります。

開講スケジュール

土曜日~月曜日、祝日を中心に月4回程度、右表の時間割で授業を組んでいます(全てのコマに授業が入るとは限りません)。ただし、講師の先生方のスケジュールに合わせて授業日を設定していますので、上記以外の曜日にも授業が入ることをご了承ください。また、試演会前(2021年1月~2月)には授業日数が増加します。 選考を通過された方に授業日程表をお渡しします。

主な開講場所

江戸糸あやつり人形結城座稽古場

※感染症対策として、オンラインでの開講も検討・計画中です。

東京都小金井市貫井北町3-18-2

  • JR中央線 武蔵小金井駅
    北口徒歩20分
    または、6番バス乗り場より 京王バス「中大附属循環」約10分 「中大附属高校」下車徒歩1分
  • 西武新宿線/拝島線 小平駅
    南口より 銀河鉄道バス 小平国分寺線 「国分寺駅入口」行 「中央大学附属中学・高等学校」下車徒歩1分

お問い合わせ

ご不明な点は結城座までお問い合わせください。

公益財団法人 江戸糸あやつり人形結城座

〒184-0015 東京都小金井市貫井北町3-18-2

TEL: 042-322-9750(平日10:00~18:00)

FAX: 042-322-3976

お問い合わせフォーム

文化庁委託事業「令和2年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」

主催
文化庁、公益財団法人 江戸糸あやつり人形結城座
制作
公益財団法人 江戸糸あやつり人形結城座
協賛
COFFEE HALL くぐつ草
協力
銕仙会 ダンスカンパニー〈Co. 山田うん〉 まつもと演劇工場 いわてアートサポートセンター 株式会社コクテール堂
20年5月14日

『東海道中膝栗毛 ~赤坂並木から卵塔場まで~
『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』

ファンの皆様へ
大反響にお応えして特設ページを作りました!

2020年2月、連日大入りの大好評となった、
結城座の古典の代表作の二本立て公演
「東海道中膝栗毛」通称「弥次喜多」、
「本朝廿四孝」についてご紹介します。

こちらの公演は以下を三本柱とし、
現在まで伝統を継承してきた結城座ならではの内容となっています。

  • 数馬

    ① 次世代を担う若手人形遣いを大役に抜擢、ベテランとともに挑む文化継承

  • 数馬

    ② 新内のホープ多賀太夫による生の弾き語りにのせて

  • 数馬

    ③ 江戸糸あやつり人形デジタル映像融合

公演詳細

東海道中膝栗毛 ~赤坂並木から卵塔場まで~

原作:十返舎一九

十返舎一九作の大ベストセラーであり、江戸時代、庶民に大流行した本作。名コンビの弥次さん喜多さんは現代でもテレビや演劇で親しまれていますが、結城座でも代表的演目の一つとして長きに渡り愛されています。

2020年2月、十二代目結城孫三郎の構成により、十二代目と元十一代目(田中純)が、若手人形遣い結城数馬、生の新内弾き語りと共に20年ぶりに復活上演を行い、古典ファンはもちろん、馴染みのない方も誰もが親しみ、楽しめる古典として連日大入りの大好評となりました。

若手ながら受賞歴多数で邦楽の世界を牽引する新内多賀太夫による生の新内の語りとの掛け合いは、江戸当時の上演スタイルを復活させたもので、生ならではの息の合った人形との共演は観客の気持ちも反映し、舞台をどんどん盛り上げていきます。

新たな試みとしては、劇中の背景に映像を投影し、人形・新内・映像の3つの相乗効果で観客を世界に引き込みます。物語のはじまる直前には広重の「東海道五十三次」の全ての浮世絵(東京学芸大学の特別協力によるご提供)を弥次さん喜多さんの足取りを辿るように順に舞台背景に投影し、より江戸の世界観を楽しむことができるよう工夫を凝らした構成となっています。

古い伝統と新しい手法の融合がお互いを高め合う、長く伝統を伝承してきた結城座ならではの上演内容です。

《あらすじ》

江戸をヒョンなことから食いつめた弥次郎兵衛と喜多八は、上方に向かって呑気な旅を続けている。

赤坂並木(東海道五十三次の36番目の宿場「赤坂宿」/現在の愛知県豊川市赤坂町)を通りかかると、酒徳利を下げた子供が通る。これを一つ目小僧と間違えて、こらしめようと打ち叩いていると、その親爺が現れ「わが子に何をしやがる」と弥次郎兵衛の首をしめ、弥次郎兵衛は気絶をしてしまう。

息を吹き返した弥次郎兵衛は自分が死んだと思い、嘆き悲しむのであった。

軽妙洒脱な新内節にのせて、江戸糸あやつり人形の繊細な技、江戸前な丁々発止な台詞のかけあい、仕掛けモノ等の江戸の粋が合い混じり、結城座を代表する古典演目の一つとなっています。

今でも親しみやすい江戸の市井の様子、江戸庶民の生活風俗がかれており、江戸文化を象徴する名作です。

本朝廿四孝 奥庭狐火の段

原作:近松半二ほか

八重垣姫の情熱的な恋心を描いた「奥庭狐火の段」を上演いたします。八重垣姫はお姫様役の中でも「三姫」の一つに数えられる大役であり、結城座では代々の孫三郎の代表作となっています。ことに難しい役とされる女形 八重垣姫の一途な女心を、孫三郎が魅せます。

両演目は共に古典でありながら、立役(男形)と華麗な女形、世話物(江戸時代の庶民の話題を扱ったもの)と時代物(江戸時代の庶民の日常から離れた、遠い過去や武家などのに関連した出来事を扱ったもの)といった、全く異なる雰囲気を持っています。対照的な演目の上演を通じて、従来古典になじみの薄かった観客層、とりわけ若年層へ訴求し、江戸文化や江戸糸あやつり人形への理解と関心を深め、より楽しんでいただける構成になっています。

《あらすじ》

上杉家の息女・八重垣姫と武田家の子息・勝頼は将軍の認める許嫁の仲であった。

ところが将軍が暗殺され、両家に疑いがかかり勝頼は切腹を命じられる。悲しみに暮れる八重垣姫だったが、実は死んだのは勝頼ではないことを知る。本物の勝頼は、武田家の秘宝の兜を取り戻すため、花作りとして上杉家に奉公していたのだ。

しかし父謙信も勝頼の正体を見抜き、暗殺の刺客を送る。それを知った八重垣姫は勝頼に危急を知らせる為、諏訪明神法性の兜にお祈りをする。兜に憑いている狐の霊が八重垣姫に乗り移ると、氷の張り詰めた諏訪湖を渡り、勝頼に急を知らせる。

劇評

2020年 2月公演(東京・ザムザ阿佐谷にて)の反響

公明新聞 劇評 2020年2月21日 掲載

お客様の声

  • 糸あやつり人形という日本の古典芸能は「保存」されるものではなく、日々進化していく芸術。その意味でも素晴らしい舞台だった。
  • 八重垣姫が着物の袖を持っておよよと泣いたりする所作は女性らしく楚々として。振袖なのに、上に着ている着物を、ちゃんと自分で脱いじゃうんですよ。嘘でしょ!どうなってるの?イリュージョン!

  • 弥次喜多では浮世絵を映写する演出がありました。江戸糸あやつり人形は、古くて新しい!
  • 弥次さんのゆうれい踊り、人形が本当に踊っていて心底驚いた。床が新内というのも艶やかでとても洒落ている。
  • 人形の愉快な動きを楽しみながら、操り師の発する言葉が人形が喋っているように聞こえることに驚いた。何かテクニックがあるのだろうか。
  • 格別なる日本芸術が、大勢の人々の心の癒しになることを切に願っています。385年世襲を受け継いでいることにも感動。
  • 八重垣姫は可憐で美しく、弥次喜多には大笑い。 江戸時代にタイムスリップしたような愉しさ。

ご来場者様に配布したパンフレット

pdf (4.6Mb)

公演の詳細な情報や結城座プロフィールの他、十二代目結城孫三郎、田中純(元十一代目結城孫三郎)、 弾き語りの新内多賀太夫様の公演に宛てての手記を載せております。 演者の考えが面白いと、大変ご好評をいただきました。