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-特設ページ-

20年8月12日

「明日またタクボク ~雲と劇場~」(2020年11月)

明日またタクボク ~雲と劇場~

0歳から200歳まで楽しめる!?
2020年 結城座
待望の新作書き下ろし!
 

会場に来られない方々のために!
11月10日初日と14日千秋楽に、
生配信+アーカイブチケットをご用意いたしました!


アフタートーク開催決定!
11月11日(水)19:00~のゲストは渡辺えりさん、11月14日(土)14:00~のゲストは加藤直さんです!
いずれも十二代目結城孫三郎との対談形式にて開催します。
※11月11日(水)19:00~、14日(土)の公演ともに、お陰様をもちまして満席となりました。

ご挨拶

結城座は、公演の中止や延期に見舞われましたが、精一杯、今できることに全力を注ぎます。
385年間、数々の苦境を生き抜いてきた伝統は、私達に江戸糸あやつり人形という大きな財 産を遺してくれました。
2020年の今、思いを込めて新作舞台をお届けします。 オンライン配信含め、是非お立ち寄りくださいませ!
「劇場」で遊びましょう!

雲と遊び風と戯れ、糸あやつり人形の一座が旅をしていた。
お客が待つ次の劇場へ向かう途中のことだった。
ふと気が付くと 一座の代表的古典作品の主役の人形がいないじゃないか!
皆で探していると道の辻に一冊のノオトが落ちている。
イシカワハジメー啄木ーという新米の教師が書いた日記らしい。
歌や奇妙な話が満載だ。
あれ? いつの間にか 人形と人形遣いそして日記の登場人物たちが一緒に歌まで歌っている!

2020年11月10日(火) 〜 11月14日(土)

11月14:0019:00
10日(火) 
11日(水) ×☆
12日(木) 
13日(金) 
14日(土)× 

※11月11日(水)19:00~、14日(土)14:00~の公演は満席となりました。たくさんのお申し込み誠にありがとうございます。
☆アフタートーク開催!
11月11日(水)19:00~ ゲスト渡辺えり×結城孫三郎
11月14日(土)14:00~ ゲスト加藤直×結城孫三郎

チケット料金(全席自由)
  • 一般:4,000
  • U25(25歳以下)2,000(当日年齢確認のできるものをお持ちください)
  • 高校生以下:1,000
  • おやこチケット:4,500(高校生以下1名+おとな1名)
  • おやこチケットは1枚のご予約で高校生以下1名とおとな1名、計2名のご予約ということになります。
  • 生配信+アーカイブチケット:3,000
  • アーカイブとは、生配信の録画配信のことです。 生配信のあとも、11月末までご覧いただけます。
  • 「観劇三昧LIVE」にて配信。

会場 シアター風姿花伝

こちらの公演は感染症対策のため、客席数は通常時の 1/3 ほどと非常に限定されておりま す。
それでも沢山のお客様に結城座の芝居を楽しんでいただきたいとの思いから、
通常通りの①座席チケット②生配信+アーカイブチケット(オンライン)の2種類をご用意いたしました。
したがって、ご購入方法も2種類となっております。

①座席チケット購入のお客様は結城座へのご入金にてご購入、
②生配信+アーカイブチケットは観劇三昧LIVEのページにてご購入となります。

②生配信+アーカイブチケット購入までの流れ

観劇三昧LIVEの解説ページより抜粋)

  1. まずは「観劇三昧」に会員登録
    会員登録は無料でとても簡単です。以下のページからどうぞ。
    https://v2.kan-geki.com/user/setting/signup
  2. ②生配信+アーカイブチケットご購入ページからチケットを購入
  3. 購入後の返信メールをチェック!
    ご購入後、自動返信メールにて視聴URLが送られてきます。
    そちらのURLにアクセスしていただきますと公演をご視聴いただけます。
  4. 作品をお楽しみください!
    開演30分前から視聴URLにアクセスしていただくことが出来ます。 (開演は劇場での開演時間と同じです。)
    11月30日(月)23:59までご視聴いただけます。12月1日(火)0:00をまわりますと視聴中でも切れてしまいますのでご注意ください。

なお、結城座では、通常時には賛助会員・DM 会員先行予約のお客様に割引を設けておりましたが、コロナ禍において客席数の大幅な縮小などの理由から、今回は通常時と同じ割引を設けることが非常に難しくなってしまったことを、何卒ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

ご不明な点などございましたら、お気軽に以下までお問い合わせくださいませ。

公益財団法人 江戸糸あやつり人形結城座

TEL: 042-322-9750(平日 10:00〜18:00)
FAX: 042-322-3976

お問い合わせフォーム

会場 シアター風姿花伝

〒161-0032 東京都新宿区中落合 2-1-10
TEL: 03-3954-3355 (劇場事務所)

こちらの劇場は2階です。エレベーターはございません。
階段をお使いになるのがどうしても困難な方は、生配信+アーカイブチケットをどうぞご検討ください。

http://www.fuusikaden.com/access.html

↑シアター風姿花伝のアクセスページです。
会場までの地図や様々な行き方が詳しく載っています。ご参考になさってください。

電車
  • JR 山手線「目白駅」より 徒歩18分/バス6分
  • 都営大江戸線「落合南長崎駅」より 徒歩12分
  • 西武池袋線「椎名町駅」より 徒歩8分
  • 西武新宿線「下落合駅」より 徒歩10分
バス
  • 目白駅前より 約6分
  • 新宿駅西口より 約20分
  • 中野駅北口より 約25分
  • 池袋駅東口・西口より 約12分

出演者

  • 十二代目 結城孫三郎
  • 結城千恵
  • 結城育子
  • 結城数馬
  • 湯本アキ
  • 小貫泰明
  • 大浦恵実
  • 紫竹芳之(楽器演奏)

スタッフ

  • 原作石川啄木
  • 台本・演出加藤直
  • 人形デザイン伊波二郎
  • 舞台美術池田ともゆき
  • 照明プラン齋藤茂男
  • 音響プラン島猛
  • 舞台監督三津久

加藤直 かとう ただし 演出家・劇作家

横浜生まれ。1966年劇団俳優座付属養成所卒業。70年黒テントの創立に参加。80年代中頃 からオペラ、演劇、ミュージカル、コンサート、合唱等の作・演出を開始。
ロングランのエンターテイメント作品を手掛ける一方、東京室内歌劇場、二期会、日生劇場、 オペラシアターこんにゃく座等で多くのオペラも演出。
表現の在り方を鋭く検証し、知的かつスラプスティックに仕立てていく作品づくりに定評がある。まつもと演劇工場・工場長。

紫竹芳之 しちくよしゆき 楽器演奏

秋田県大仙市(旧・大曲市)出身。尺八を福田輝久、能管を一噌幸政の各師に師事。尺八、能管、篠笛など邦楽のみならず、現代曲、ジャズにまで精通し、柔軟かつ自由な演奏スタイルで魅了する奏者。東京都ヘブンアーティスト音楽部門のライセンスを保持。結城座では「ドールズタウン」(2007年・2017年)にて鳴物指導を担当する。

伊波二郎 いはじろう イラストレーター

沖縄県生まれ。1982年よりイラストレーションの仕事を始める。広告をはじめ、演劇公演・オペラ等のチラシやポスター、書籍・雑誌等の装幀画や挿絵、CDジャケットなど幅広いフィールドで活躍。島田洋七の自伝「佐賀のがばいばあちゃん」では、書籍(徳間書店刊)全シリーズ装幀画、同名の映画タイトルバックも描きおろした。今回の公演では人形美術と写し絵原画を手掛けている。

「演じる絵」、江戸写し絵とは

江戸後期、初代両川亭船遊により始まった江戸写し絵。「風呂」という箱形の特殊な幻灯機に、何枚かの絵が描かれたガラス板(種板)をはめこみスクリーンに写す芸能です。「風呂」を持った何人かの遣い手が前後左右に動き回り、それによって映像が大きくなったり、瞬時に遠ざかったりします。現在は十二代目結城孫三郎が1972年に写し絵家元三代目両川船遊を襲名しています。

感染症たいさくについて

出演者やスタッフ、関係者全員が稽古時からマスク着用やこまめな消毒、3 密を避けるなど 厳戒態勢で挑んでおります。 ご来場のお客様におかれましても以下の通りご理解とご協力をお願い申し上げます。

●客席数の限定

本来の客席数の3分の1〜2分の1以下となります。(カメラやスタッフ数の関係で日によって使用できる席数が多少前後します。)
非常に限定された席数のため、満席となるのが早い可能性があることを何卒ご了承ください。
当日券に関しては直前にホームページやツイッターでお知らせいたします。

●ご来場のお客様方への消毒等のお願い

当日会場へいらっしゃるお客様には、入場前に体温の計測と手指・靴裏の消毒、マスクの着用をお願いいたします。
また、前列にお座りになるお客様にはフェイスシールドの着用をお願いいたします。
当日体調不良を感じるお客様は、ご来場をご遠慮くださいますようお願いいたします。

●お客様ご自身でのチケットもぎりのお願い

通常時と同じように、チケットは入場時にスタッフにお見せください。ただし、お互いの接触を減らすため、チケットは手渡さず、スタッフの視認後はお客様ご自身でもぎり、箱に入れていただきますようにご協力お願いいたします。

●出演者との面会のお断り

通常時には、開演前や終演後に出演者がお客様の誘導などの会場整理やお見送り、ご挨拶をさせていただいておりましたが、今公演に関しては出演者は原則お客様との接触を控えさせていただきます。
また、劇場ガイドラインに基づき、差し入れなど物のやりとりも控えさせていただきます。お手紙やお花、個包装でないお菓子など恐れ入りますがお持ちいただいてもお受け取りできない可能性がございますので、ご理解のほどお願い申し上げます。

企画・制作・主催
公益財団法人 江戸糸あやつり人形結城座
助成
芸術文化振興基金助成事業
協賛
COFFEE HALL くぐつ草
協力
株式会社コクテール堂株式会社シモジマ
20年7月6日

アーティスト募集(2020年7月)

人形と俳優のクロスオーバーⅠ
生徒募集

開講にあたって

本事業は、江戸糸あやつり人形に限らず、俳優やダンサーなど、広く表現の世界でプロとして活躍したいという方を対象とした野心的なプロジェクトです。文化庁 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業の委託でスタート致します。
結城孫三郎の志に賛同し、演出家/加藤直、能役者/清水寛二、ダンサー・振付家/山田うんといった各界一流の表現者らが講師として参加してくださいます。また、先生方は最終回に予定されている試演会の演出も担当されます。
受講生の皆様は約三ヶ月間各分野の基礎訓練を積んでいただきます。その後指導者別の三グループ(人形/孫三郎&加藤、能/清水、ダンス/山田)に分かれて、各講師のもとで試演会に向けた稽古に入ります(基礎訓練の授業内容の詳細は応募要項をご覧ください)。
試演会ではひとつの作品を各講師三通りの演出によって発表することになります。俳優が人形遣いの指導を受けたり、ダンサーが能役者の指導を受けるなど相互の交流によって、そこに交差点(クロスオーバー)が生まれます。その学びの場で生起する発見や模索も、本講座の大きな特徴です。
このプロジェクトは結城座にとって、伝統を次世代へ継ぐ江戸糸あやつり人形の新しい表現法を発見する場であるとともに、舞台芸術における新たな表現者の誕生・育成の支援の場でもあります。
各界日本トップクラスの講師陣と創作が出来る、他には類を見ない貴重な機会です。
皆様方のご参加を心から歓迎いたします。

講師プロフィール

江戸糸あやつり人形結城座十代目結城孫三郎の次男として生まれ、4歳で初舞台。11歳から武智鉄二主宰、武智歌舞伎座に入門。能は観世栄夫、狂言は茂山千之丞の教えを受けながら、人形遣いの修行を重ね、72年写し絵家元三代目両川船遊を襲名。93年十二代目結城孫三郎を襲名。伝統的な人形芝居とともに、国内外の演劇人たちとの芝居作りにも意欲的に取組み、海外の演劇フェスティバルにも多数参加。また後継者の育成にも力を注ぎ、江戸糸あやつり人形の普及・啓発に努める。

能役者。1953年奈良県生まれ。早稲田大学在学中に山本順之の指導を受け、銕仙会に入門。故観世寿夫、故八世観世銕之丞、九世観世銕之丞に師事し、銕仙会公演などで古典能の上演を続ける一方、新作能 『長崎の聖母』『沖縄残月記』『ヤコブの井戸』などの演出・シテをつとめる。組踊、昆劇などの他の伝統芸能や現代劇、現代音楽、ダンスなどとの共同舞台にも取り組んでいる。

©️ HAL KUZUYA

山田うん

器械体操、バレエ、舞踏を学び渡仏。2002年「Co.山田うん」設立。日本をリードするコンテンポラリーダンスのカンパニーを率いて国内外で活躍している他、ミュージカルやオペラの振付、演劇の演出、またソロダンサー、指導者としても世界各地から注目さえている。第8回日本ダンスフォーラム大賞受賞。第65回芸術選奨文部科学大臣新人賞。平成26年度文化庁文化交流使。令和2年第37回江口隆哉賞受賞。

加藤直

ロングランのエンターテイメント作品を手掛ける一方、東京室内歌劇場、二期会、日生劇場、オペラシアターこんにゃく座等で多くのオペラも演出。

劇作家・演出家。横浜生まれ。
1966年劇団俳優座付属養成所卒業。70年黒テントの創立に参加。80年代中頃からオペラ、演劇、ミュージカル、コンサート、合唱等の作・演出を開始。

表現の在り方を鋭く検証し、知的かつスラプスティックに仕立てていく作品づくりに定評がある。まつもと演劇工場・工場長。

応募方法

こちらから応募要項提出書類(出願書、志望動機+未成年の方は保護者の同意書)をダウンロードし、記載情報を確認・記入してEメールまたは郵送にてお送りください。

  • 応募要項(授業内容も紹介しています)
  • 授業スケジュール
  • 保護者の同意書
  • 提出書類(出願書・志望動機)

応募受付期限

2020年831(月)

応募条件

18歳以上で、プロを目指し江戸糸あやつり人形や演劇に興味を持ち、将来舞台芸術の世界を志す者。

  • 既にプロとして実績を積んでいる方の応募も歓迎します。

選考方法

書類選考により、メールにて順次通知します。メール以外をご希望の方は出願書類にお書き添えください。

受講料

  • 一般:100,000
  • U30(30歳以下)70,000
  • 上記以外の費用(入会金、教材費等)はかかりません。
  • 受講料は開講日までに一括で納付していただきます。
  • 途中退会した場合でも受講料の返金には応じかねます。

説明会

  • 822(土)
  • 823(日)

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、説明会は中止といたします。

つきましては過去結城座で実施していた「人形遣い入門塾」の写真や動画を中心に授業内容 をご紹介するページを作成いたしましたので是非ご覧下さい。

授業内容紹介ページ

開講期間

2020年912(土)2021年221(日)

※感染症対策として、オンラインでの開講も検討・計画中です。

最終回には稽古場にて試演会を予定しています。

9月から11月を各分野の基礎訓練期間とし、12月以降、試演会に向けた稽古に入ります。

開講スケジュール

土曜日~月曜日、祝日を中心に月4回程度、右表の時間割で授業を組んでいます(全てのコマに授業が入るとは限りません)。ただし、講師の先生方のスケジュールに合わせて授業日を設定していますので、上記以外の曜日にも授業が入ることをご了承ください。また、試演会前(2021年1月~2月)には授業日数が増加します。 選考を通過された方に授業日程表をお渡しします。

主な開講場所

江戸糸あやつり人形結城座稽古場

※感染症対策として、オンラインでの開講も検討・計画中です。

東京都小金井市貫井北町3-18-2

  • JR中央線 武蔵小金井駅
    北口徒歩20分
    または、6番バス乗り場より 京王バス「中大附属循環」約10分 「中大附属高校」下車徒歩1分
  • 西武新宿線/拝島線 小平駅
    南口より 銀河鉄道バス 小平国分寺線 「国分寺駅入口」行 「中央大学附属中学・高等学校」下車徒歩1分

お問い合わせ

ご不明な点は結城座までお問い合わせください。

公益財団法人 江戸糸あやつり人形結城座

〒184-0015 東京都小金井市貫井北町3-18-2

TEL: 042-322-9750(平日10:00~18:00)

FAX: 042-322-3976

お問い合わせフォーム

文化庁委託事業「令和2年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」

主催
文化庁、公益財団法人 江戸糸あやつり人形結城座
制作
公益財団法人 江戸糸あやつり人形結城座
協賛
COFFEE HALL くぐつ草
協力
銕仙会 ダンスカンパニー〈Co. 山田うん〉 まつもと演劇工場 いわてアートサポートセンター 株式会社コクテール堂
20年5月14日

『東海道中膝栗毛 ~赤坂並木から卵塔場まで~
『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』

ファンの皆様へ
大反響にお応えして特設ページを作りました!

2020年2月、連日大入りの大好評となった、
結城座の古典の代表作の二本立て公演
「東海道中膝栗毛」通称「弥次喜多」、
「本朝廿四孝」についてご紹介します。

こちらの公演は以下を三本柱とし、
現在まで伝統を継承してきた結城座ならではの内容となっています。

  • 数馬

    ① 次世代を担う若手人形遣いを大役に抜擢、ベテランとともに挑む文化継承

  • 数馬

    ② 新内のホープ多賀太夫による生の弾き語りにのせて

  • 数馬

    ③ 江戸糸あやつり人形デジタル映像融合

公演詳細

東海道中膝栗毛 ~赤坂並木から卵塔場まで~

原作:十返舎一九

十返舎一九作の大ベストセラーであり、江戸時代、庶民に大流行した本作。名コンビの弥次さん喜多さんは現代でもテレビや演劇で親しまれていますが、結城座でも代表的演目の一つとして長きに渡り愛されています。

2020年2月、十二代目結城孫三郎の構成により、十二代目と元十一代目(田中純)が、若手人形遣い結城数馬、生の新内弾き語りと共に20年ぶりに復活上演を行い、古典ファンはもちろん、馴染みのない方も誰もが親しみ、楽しめる古典として連日大入りの大好評となりました。

若手ながら受賞歴多数で邦楽の世界を牽引する新内多賀太夫による生の新内の語りとの掛け合いは、江戸当時の上演スタイルを復活させたもので、生ならではの息の合った人形との共演は観客の気持ちも反映し、舞台をどんどん盛り上げていきます。

新たな試みとしては、劇中の背景に映像を投影し、人形・新内・映像の3つの相乗効果で観客を世界に引き込みます。物語のはじまる直前には広重の「東海道五十三次」の全ての浮世絵(東京学芸大学の特別協力によるご提供)を弥次さん喜多さんの足取りを辿るように順に舞台背景に投影し、より江戸の世界観を楽しむことができるよう工夫を凝らした構成となっています。

古い伝統と新しい手法の融合がお互いを高め合う、長く伝統を伝承してきた結城座ならではの上演内容です。

《あらすじ》

江戸をヒョンなことから食いつめた弥次郎兵衛と喜多八は、上方に向かって呑気な旅を続けている。

赤坂並木(東海道五十三次の36番目の宿場「赤坂宿」/現在の愛知県豊川市赤坂町)を通りかかると、酒徳利を下げた子供が通る。これを一つ目小僧と間違えて、こらしめようと打ち叩いていると、その親爺が現れ「わが子に何をしやがる」と弥次郎兵衛の首をしめ、弥次郎兵衛は気絶をしてしまう。

息を吹き返した弥次郎兵衛は自分が死んだと思い、嘆き悲しむのであった。

軽妙洒脱な新内節にのせて、江戸糸あやつり人形の繊細な技、江戸前な丁々発止な台詞のかけあい、仕掛けモノ等の江戸の粋が合い混じり、結城座を代表する古典演目の一つとなっています。

今でも親しみやすい江戸の市井の様子、江戸庶民の生活風俗がかれており、江戸文化を象徴する名作です。

本朝廿四孝 奥庭狐火の段

原作:近松半二ほか

八重垣姫の情熱的な恋心を描いた「奥庭狐火の段」を上演いたします。八重垣姫はお姫様役の中でも「三姫」の一つに数えられる大役であり、結城座では代々の孫三郎の代表作となっています。ことに難しい役とされる女形 八重垣姫の一途な女心を、孫三郎が魅せます。

両演目は共に古典でありながら、立役(男形)と華麗な女形、世話物(江戸時代の庶民の話題を扱ったもの)と時代物(江戸時代の庶民の日常から離れた、遠い過去や武家などのに関連した出来事を扱ったもの)といった、全く異なる雰囲気を持っています。対照的な演目の上演を通じて、従来古典になじみの薄かった観客層、とりわけ若年層へ訴求し、江戸文化や江戸糸あやつり人形への理解と関心を深め、より楽しんでいただける構成になっています。

《あらすじ》

上杉家の息女・八重垣姫と武田家の子息・勝頼は将軍の認める許嫁の仲であった。

ところが将軍が暗殺され、両家に疑いがかかり勝頼は切腹を命じられる。悲しみに暮れる八重垣姫だったが、実は死んだのは勝頼ではないことを知る。本物の勝頼は、武田家の秘宝の兜を取り戻すため、花作りとして上杉家に奉公していたのだ。

しかし父謙信も勝頼の正体を見抜き、暗殺の刺客を送る。それを知った八重垣姫は勝頼に危急を知らせる為、諏訪明神法性の兜にお祈りをする。兜に憑いている狐の霊が八重垣姫に乗り移ると、氷の張り詰めた諏訪湖を渡り、勝頼に急を知らせる。

劇評

2020年 2月公演(東京・ザムザ阿佐谷にて)の反響

公明新聞 劇評 2020年2月21日 掲載

お客様の声

  • 糸あやつり人形という日本の古典芸能は「保存」されるものではなく、日々進化していく芸術。その意味でも素晴らしい舞台だった。
  • 八重垣姫が着物の袖を持っておよよと泣いたりする所作は女性らしく楚々として。振袖なのに、上に着ている着物を、ちゃんと自分で脱いじゃうんですよ。嘘でしょ!どうなってるの?イリュージョン!

  • 弥次喜多では浮世絵を映写する演出がありました。江戸糸あやつり人形は、古くて新しい!
  • 弥次さんのゆうれい踊り、人形が本当に踊っていて心底驚いた。床が新内というのも艶やかでとても洒落ている。
  • 人形の愉快な動きを楽しみながら、操り師の発する言葉が人形が喋っているように聞こえることに驚いた。何かテクニックがあるのだろうか。
  • 格別なる日本芸術が、大勢の人々の心の癒しになることを切に願っています。385年世襲を受け継いでいることにも感動。
  • 八重垣姫は可憐で美しく、弥次喜多には大笑い。 江戸時代にタイムスリップしたような愉しさ。

ご来場者様に配布したパンフレット

pdf (4.6Mb)

公演の詳細な情報や結城座プロフィールの他、十二代目結城孫三郎、田中純(元十一代目結城孫三郎)、 弾き語りの新内多賀太夫様の公演に宛てての手記を載せております。 演者の考えが面白いと、大変ご好評をいただきました。