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2015年7月20日(月) 日々繰り返される基礎稽古!
本日、人形実技の14コマ目でした。(人形実技は全部で80コマあります。)
入門塾が始まってもうすぐ一ヶ月。
今日の主講師は、結城千恵先生です。
人形を真っ直ぐ立たせること、人形の足踏み、前進。
そのときの自分の身体の位置、糸を引く力のバランス、
わざと複雑に数を数えたり、しりとりや言葉の連想ゲームをして頭を使いながら、
同時に人形への集中を乱さない稽古。
ここ2週間ほど延々と繰り返される基礎稽古ですが、
塾生の皆さん一人ずつに合わせ、稽古の方法は変わっていきます。
今回は基礎稽古を繰り返すうちに見えてきた皆さんの身体のつかい方の癖を丁寧にみていきました。
人形を使うときの身体と糸を使う力のバランス。
糸に吊られた人形が、立つ。とはどういうことなのでしょう。
糸操り人形の基礎稽古について、千恵先生のお話。
結城千恵:
不思議に思われるかもしれませんが、数十年前まで結城座には基礎稽古というものがありませんでした。
若い人たちは弟子入りをして、師匠や先輩たちの人形の技を学ぶというより盗んでいたのです。
糸操り人形の基礎を教えるということ。劇団員ではなく、新しく出会う皆さんに教えるということは、
私達にとっても、いまだ未知のことなので、日々よりよい方法を模索しています。
授業日誌更新しました。
猛暑の中、みなさんガンバってます!
2015年7月13日(月)人形授業 腰をひねって、頭もひねる。
今回の授業の日は、台風到来の前の猛暑日。
熱い日にも関わらず駅から稽古場まで長い道を歩いて来られる方や、
木更津から三時間近くかけていらっしゃる方など、皆さんの夏の日差しにも負けない熱意に敬服いたします。
さて授業の方はまず基本の足踏みの復習です。
そして今度は腰をひねって人形を上(かみ)下(しも)に足踏み移動する稽古!
遣い手はその場を動かずに、腰を入れながら人形を崩さぬように綺麗に水平に移動する。
この時足が締まっていては腰が動かせません、肩幅に開いた正しいフォームが肝心です。
上半身は盆に水の入ったコップを乗せたように、ブレないように気をつけます。
日ごろ使わない筋肉と神経に四苦八苦、簡単なようでなかなか難しい作業です。
ガンバッた皆さんの〆の稽古はやはり基本「足踏み」です。
今回はちょっと遊びを入れて「尻とり」をしながら足踏みですよ。
お題は「夏の食べ物」!人形の状態を気づかいながら頭をひねり、
みんなに伝わるように「声」を出します。
色んな所神経を同時進行させる稽古です。でもみんな和気藹々と尻とりを楽しみながらお稽古できました。
これからもっと熱くなりますが、水分補給に気をつけながら楽しんでやっていきましょう。
ではまた。
授業日誌更新しました
7月11日(土)の授業風景を更新しました。
2015年7月11日(土)人形実技8・9回目 人形の重心
昨日から突然の晴れ、塾の始まる時間は丁度太陽の高い時間帯でしたので、
強い日差しを乗り越えて稽古場にいらした塾生の皆さんと、
お互い合い言葉のように「今日は暑いですね〜・・・。」と唱え合ってしまいました。
人形実技も今日で8回目。
手板の持ち方も、糸の場所もだんだん身に付き始めました。
つま先に付いている糸!・・・はい!
肘についている糸!・・・これだ!
腰の糸!・・・ここ、かな!
人形の糸を使う時、重要な事は人形の重心がどうなっているかという事です。
糸あやつり人形なので、糸を引っ張れば足はどこまでもあがります。
その時、人間なら軸足でしっかりと地面を踏みしめていないと、
すぐに転んでしまうはずなのですが、糸に吊られているあやつり人形は、
どんなに不自然な体勢になっても、ぶらぶら吊られていて転ぶ事はありません。
不自然に吊られた状態ではなく、人形にしっかりと重心を与えようと皆さん真剣な表情です。
さて、少しだけ脱線して、
今年度、皆さんがお稽古に使っているお人形たちをちょこっとご紹介です。
洋服の人形もいれば着物の人形もいます。
洋服の人形たちもよくみるとそれぞれ時代が違いそうですし、
着物もそれぞれ職業や身分がバラバラそうです。
ただ、ひとつだけ共通している所は、全員【男の人形】という所です。
古典の【女の人形】はしなやかな所作を表現するため、
少し特殊な作りになっているので、基本のお稽古は【男の人形】を使います。
こうして見ていると、人形と手板を繋ぐ糸の長さ、それも一体、一体違いますね。
それはそのまま、人形を使う方たちの身長の違いです。
人形たちを眺めているだけで塾生の皆さんの個性がまたひとつ、浮かび上がってくるようです。
人形と人形を使う人間の関係は本当に微妙なもので、
使う人間の身体の癖や体調がそのまま人形に表れます。
肩に力が入りやすい、膝に力が入りやすい、重心を片足に置きがちなど、
誰にだってある無意識の癖を、人形を見ながら、自分で感じながら、講師に教えて貰いながら、
より客観的でバランスの良い姿勢に調整していきます。
人形が美しく立つ時、
人形を使う人間の姿も美しいのです。
それではまた月曜日!