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平成26年度 江戸糸あやつり人形遣い入門塾

授業日誌

平成25年度授業風景はこちらから

2014年8月2日(土)人形実技

この日は「倒れる」稽古をしました。
一見簡単そうな事ですが、ただの「物」として倒れるのではなく、たとえば何かのリアクションとして、意思をもって倒れなければいけません。
倒れたら次に、逆再生のようにスっと立つ。これは人形にしか出来ない事ですが、立つときに姿勢が崩れないように、足がちゃんと地面に立つように遣うのは中々難しいことです。

お次は人形達で輪をつくって、みんなで息を合わせながら綺麗なリズムでバタンバタンと倒れていきます。
やはりタイミングを合わせようとすると一段と難しくなりますね。でもうまく出来た時は一人で人形を遣う時よりずっと嬉しいですよ♪

うつ伏せに倒れたり!

仰向けに倒れたり!

2014年8月4日(月)人形芝居概論 一回目

江戸糸あやつり人形遣い入門塾は、人形実技だけでなく様々な講師陣による特別講義があります。特別講義第一回目の今日は、初舞台はなんと1938年!糸あやつり人形遣い田中純先生による『人形芝居概要』です。

ノートとペンの準備も万端。興味津々な塾生たちに「なぜ人形なのか、なぜ人形を遣うのか、人形芝居はどこから来たのか」先生が語り始めました。

古要神社の人形と相撲の話から始まり、宗教と人形の繋がりを経て三番叟・反閇・足踏みについて、それから折口信夫による沖縄の翁。翁の発生への言及も。
元禄時代のリアリティと近松門左衛門の人形浄瑠璃。
照手姫車引きと小栗の蘇生。
能、歌舞伎、人形浄瑠璃の虚と実。
それから糸あやつり人形の動きと時間について。
講義は多岐に及び、充実した二時間でした。

塾生からは相撲人形の仕組みや、結城座の糸あやつりの歴史についての質問も飛び出しました。

「人形遣いにとって大事なことは技術のうまい下手ではありません。
皆さんが人形を遣う時、自分たちの人生をゼロにして人形遣いらしくする必要はありません。今までの人生の上で人形を遣えば良い。自分の持っている大切なものを、人形を通して前に出せば良いんですよ。」
と、最後に先生はおっしゃいました。

2014年8月9日(土)人形実技

今日は土曜日。
土曜日の稽古は13時から17時までたっぷり4時間です。
いつもの通り足踏みをして糸の位置を確認した後、稽古場に木の箱が並べられました。

何が始まるのでしょうか。
この箱を使って「必ずしなくてはいけない事」は
ひとつ、小走りで木箱に駆け寄ること
ふたつ、両手で木箱を触ること
みっつ、小走りで木箱から走り去ること
これは皆さん腕の見せ所です。
この木箱は何か、木箱をどうして触るのか、触ったらどうだったのか、どうして走り去るのか。

十二代目からひとりひとりに講評が入ります。

お互いの人形を見合うことも、また勉強ですね!

2014年8月11日(水)人形芝居概要 二回目

前回の講義から一週間。
再び人形芝居概要です。

第二回目は宗教的、呪術的なものとの結びつきからはじまった人形が、やがて動きはじめ、人形芝居になっていく過程についてさらに詳しくお話いただきました。

塾生からも人形を遣う上での具体的な質問があがります。

「人形を遣うとき、なにを見ているのですか?」
という質問には、
「人形を通して同じ物を見ています。
人形を見てはダメですよ。人形を通す、感覚で見るということです」
と先生。

そして、
塾生たちの見つめる先の…

あの人形は…

今日はなんと田中先生の三番叟の人形で反閇を実際に見せて頂きました。
ずっしりと重たく美しい人形です。

人形が歩くとき、空間が押されて行くのが見える。
驚きのため息が聞こえました。

人形芝居概要は本日最終回。
新しいことを学ぶと次なる興味がわいてきますね。
田中先生、本当にありがとうございました。

2014年8月20日(水) 人形実技

番外編!
人形の手を広げるにはどうしたらいいでしょう?
左手は手板を持っていて、右手は右の手の糸を持っています。
左の手の糸は?

答え 左手の糸を手板にかけてしまいます。

左右のバランスが大切です。

さて、突然ですが、結城座はこれから380周年記念公演第2弾『オールドリフレイン』の稽古に入ります。
そのため、この授業日誌の更新はしばらくお休みしますo(_ _)ozzZZ…
次の更新は9月下旬(か10月上旬)。
皆さんお元気で!残暑をのりきりましょう!


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