人形実技講師紹介
講師
十二代目結城孫三郎
江戸糸あやつり人形結城座十代目結城孫三郎の次男として生まれ、4歳で初舞台。11歳から武智鉄二主宰、武智歌舞伎に入門。能は観世栄夫、狂言は茂山千之丞の教えを受けながら、人形遣いの修行を重ね、72年写し絵家元三代目両川船遊を襲名。93年十二代目結城孫三郎を襲名。
古典的な江戸糸あやつり人形芝居の継承はもちろん、国内外の演劇人たちとの芝居作りも意欲的に取り組む。また後進の人形遣いたちの育成にも力を注ぎ、04年より人形遣い入門塾を開始。以降ワークショップや長期的な塾という様々な形式を通じて広く江戸糸あやつり人形の普及・啓発に努める。
02年より日仏合作作品「屏風」(作/ジャン・ジュネ、演出/フレデリック・フィスバック)をフランス、日本、ヨーロッパ各地で巡演を重ね、07年第61回アヴィニヨン演劇祭の開幕を飾る栄誉を得る。2010年にはフレデリック・フィスバックを再び演出に迎え『宦官提督の末裔』(作/クオ・パオ・クン、美術/ローラン・P・ベルジェ)を日本上演し、ザグレブ ユーロカズフェスティバル、スポレート 二つの世界フェスティバルに招聘される。2014年中国・朱鷺フェスティバルに招聘、上海戯劇学院にてワークショップを行う。
結城千恵
江戸糸あやつり人形結城座十代目結城孫三郎の長女として生まれ、5歳で初舞台。両親(雪斎・素京)の反対を押し切り、女性としては初の江戸糸あやつり人形遣いとなる。ベオグラード国際演劇祭など結城座の海外公演出演のほか、立動社制作「人形姉妹」(作/富岡多恵子、演出/朝倉摂)で宮本信子、吉行和子らと共にアメリカ公演に参加。ボルチモア名誉市民となる。古典と新作双方においてその活躍は目覚しい。また、公演だけでなく、講演会や人形体験ワークショップの講師を務める機会も多く、江戸糸あやつり人形の普及に努めている。また座内では、殊に人形の結髪などを担当し、若手座員の育成にも力を注ぐ。
結城育子
大学の頃より人形浄瑠璃に関心があり、1975年に結城座へ入座。1977年のヴォイツェクの子供役が初舞台。現在では雪斎に人形を、素京に義太夫の教えを受けた唯一の座員。江戸糸あやつり人形の技を受け継ぐ人形遣いとして、日本各地で人形体験ワークショップの講師を務めている。中堅として様々な分野で座を支える中心メンバーの一人。