結城座について

歴史とあゆみ

結城座は江戸時代の寛永12年(1635年)に初代結城孫三郎が旗揚げいたしました。
それから約380年を超える長い年月を経て、現在 『国記録選択無形民俗文化財』『東京都の無形文化財』に指定されている、日本唯一の伝統的な江戸糸操り人形の劇団です。

江戸切絵図

天保の改革により、結城座は歌舞伎の中村座・市
村座らとともに、浅草への移転を命じられました。
図:当時の結城座の位置を示す切絵図(中央左が浅草寺)

江戸幕府公認の五座の中では、歌舞伎三座(市村座、中村座、河原崎座)は座元名のみの継承となり、残る薩摩座も姿を消してしまい、現在<座>として存続するのは結城座のみとなりました。
現在の結城孫三郎は、平成5年5月に三代目両川船遊が十二代目結城孫三郎を襲名いたしました。

結城座の主な活動としては、歴史ある「古典公演」の他に、書き下ろしや翻訳による「新作公演」があり、新作の中では、役者と人形が同じ劇空間で競演したり、人形遣いが人形を使う一方で生身で役を演じたり、また劇中に「古典」の手法や、これも江戸時代から伝わる「写し絵」(ガラスの板に絵を描き投射する)等を挿入するなど、常に結城座独特の舞台空間を創造し続けています。

マクベス夫人を操る結城雪斎
また、数度にわたるヨーロッパ、中近東、東南アジア、旧ソ連、アメリカなどの海外公演も成功を収め、1986年ベオグラード国際演劇祭においては、「マクべス」で今までの人形劇のジャンルを越えた演劇として『特別賞・自治体賞』を受賞し、国外でも高い評価を得ました。

これら結城座、および故・結城雪斎の活動は『芸術祭文部大臣賞、東京都知事賞、紫綬褒章、勲四等瑞宝賞、文化財功労者賞』等を受賞しています。