2016年8月6日(土) 人形実技
さて、池袋で短期コースの授業が行われている暑い暑いこの日、
長期コースの会場、小金井の稽古場でも13時から17時まで、
4時間通しの授業がありました。
はじめはいつも通り、
人形の重心と体重移動と頭の向きを意識した基礎稽古でスタートですが、
一通り基礎稽古が終わったところで、ふたつのチームに別れました。
チーム分けはいつも通りのあみだくじ。
それぞれのチームで小さなお話や情景を作り、
まずは台詞なしで相手チームに見せ、
相手チームからどんなお話や情景だったのか感想を貰います。
作りたい状況を自分たちの身体を使って確かめたり、
人形を使って確かめたり・・・
考える時間は20分ほどで発表です。
1作品目。
最初は、お祭りでお酒を飲む事を楽しみに歩いて来た2人組の間を、
機嫌の悪い男が無理矢理通ろうとしたせいで、2人は転倒。
ひっくり返っている2人に謝らないどころか、
悪態をついて去ろうとする男を、通りすがりの人間が呼び止めているシーン。
この後、この悪態をつく男と、通りすがりの人の関係は実は・・・
というストーリーに展開していきます。
2作品目。
こちらは仲良し三人組が「だるまさんがころんだ」を元気よく楽しんでいます。
シンプルな構成ながら、だるまさんが転んだゲーム特有の、
動と静の動きがはっきりとわかれるところ、
また三人組の性格の違いによって、異なる反応も見所です。
どちらのチームの物語も、
作ったきっかけはちょっとした思いつきだと言いますが、
そこからどんどん深めて行きます。
お酒を飲む嬉しさから、なんの関係もない男にぶつかられた時の、
楽しさから真っ逆さまに落とされる気分。
謝る気のない男が結果的に謝ることになる気持ちの変化。
人形の動きを自分の身体で隠していないか、
もっと劇的にみせるには、どうしたら良いか。
「捕まえる」という動きを明確に見せるにはどうしたら良いか。
わからなくなったら自分の身体で試してみて、
それから人形でどうすれば良いかを改めて考えます。
何度も何度も、繰り返して、自分でやって、人を見て、
最後には相手チームと設定をひっくり返してやってみるうちに、
だんだん、相手を見る人形の頭の向きがいかに重要か、
なぜ人形に重心が必要なのか、
正確な頭の向きと、丁寧な人形の強さというものに、
向かって行こうという思いが生まれて来るようでした。